金の船・金の星デジタルライブラリー

「金の船・金の星デジタル
ライブラリー」公開にあたって

おかげさまをもちまして、令和元年11月1日、金の星社は創業100周年を迎えることができました。
これを記念いたしまして、大正8年11月創刊号から昭和4年7月号まで刊行しておりました雑誌「金の船」(大正11年6月号より「金の星」と改題)の内、創業者斎藤佐次郎が編集・発行を手掛けました、昭和3年4月号までの計101冊のデジタル版を公開いたします。

金の星社は、大正8(1919)年、島﨑藤村・有島生馬監修により、童謡童話雑誌「金の船」を刊行し、創業いたしました。
初代編集長となる野口雨情をはじめ、若山牧水・本居長世・中山晋平・岡本歸一・寺内萬治郎・竹久夢二・蕗谷紅兒・東山魁夷といった錚々たる先人たちが集い、近代的児童文化の成立をリードして行く事となります。
この雑誌から、「十五夜お月さん」、「七つの子」、「青い目の人形」、「證城寺の狸囃」など、いまも歌い継がれている童謡の数々が生まれています。
児童文化が大きく花開いたこの時代には、数々の児童文芸雑誌が刊行されました。しかしその後の関東大震災や世界恐慌、太平洋戦争などを経て多くの出版社が姿を消しております。
金の星社も、震災後の経営は厳しさを増し、本社の移転を繰り返します。
昭和に入り、円本合戦(全集物の廉売合戦)に参入し事業不振はいよいよ深刻化し、昭和3年4月には、雑誌「金の星」の編集も外部に移譲してしまいます。
誌名は「少年少女 金の星」と変更、大衆誌として翌年7月号まで刊行され終刊となりました。

その後「小学学年別童話」「日本童話名作選」等書籍の刊行を続けながら、株式会社への改組や企業整備令を経て、戦時下の災禍を潜り抜け、児童図書専門出版社最古参として、100周年を迎えることが出来ますのは、まさに奇跡と言えます。
創業100周年にあたり、「子どもたちの心を豊かにし、その成長の糧となる良書の出版と普及」という創業以来の基本理念が結集した、雑誌「金の船」「金の星」をより多くの方々にご覧いただけるようにすると共に、雑誌という特性から安価で現存しているものが少ない現状を鑑み、大正から昭和初期の児童文化、児童文学を研究されている皆様にご活用いただけますように公開するものです。

公開にあたり、資料性を考慮し、文字の擦れ、欠け、誤字誤植、旧字、旧仮名遣い等は修正いたしておりません。また現在では慎むべき表現・言葉が出てきますが、オリジナル性を尊重し、あえてそのままといたしました。